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見慣れた3年C組の教室に入った瞬間、フラッシュがたかれてあたしは瞬きをした。


いつもはスマホもデジカメも禁止だけれど、今日はみんな自由に使っているようだ。


あたしと玲子を激写した久田真弓(ヒサダ マユミ)はショートカットの髪の毛を軽く揺らしてかけて来た。


中学校時代からバレー部に所属していた真弓はクラスで一番身長が高く、ほどよく筋肉がついた体はスラリとしていて、まるでモデルのようだった。


「2人ともおはよう!」


手足も長い真弓はそう言い、あたしと玲子の体を抱きしめた。


真弓は2人分の体を簡単に包み込んでしまう。


「おはよう、真弓」


あたしはそう言い、苦笑いを浮かべた。


真弓はあたしたちが登校してきた時、すでに目に涙を浮かべていたのだ。


まだ卒業式も始まっていないのに、随分と涙腺が弱いようだ。


「ねぇ、これでクラス全員そろったよね? みんなで写真撮ろうよ!!」


真弓があたしと玲子から身を離し、クラスメートたちへ向けてそう声をかけた。


「いいね。クラス写真よりもずっとあたしたちらしく写れる写真」


真弓の言葉にすぐに賛成したのは福間和美(フクマ カズミ)だった。


彼女は3年生に上がってから全校生徒を束ねる生徒会長をしていた。