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修学旅行が終ると3連休が待っていた。


あたしは部屋のベッドに座ったままぼんやりと窓の外を見つめていた。


時々スマホが鳴って友人からのメールを知らせるけれど、それを見る気分じゃなかった。


今は誰かと遊びたいとは思えない。


真っ青な空を見ていると、その空間に浮かんでくるのは風の優しい笑顔だった。


ふわりと、まるでわたあめみたいに柔らかく笑う風。


「……会いたいな」


思わずそう呟いていた。


あの時からなんだか気まずくなってしまって病院へ行っていなかったけれど、今すごく風に会いたい。


風があたしに会ったらどう感じるか。


そもそも、あたしの話を信じてくれているかどうかも怪しかった。


会って、本当に気まずい雰囲気になってしまうかもしれなかった。


それでも、あたしは風に会いたかった。


「よし!」


あたしは掛け声を出してベッドから下りた。


部屋の隅には風へのお土産が置かれている。


その紙袋を掴んで部屋を出たのだった。