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学校の門の前にパトカーが止まっていた。


まだ朝の早い時間だというのに、物々しい雰囲気がしている。


「すごい事になってるね」


少し遠くからその様子を見ていた理央があたしにそう言って来た。


「本当だね」


なんともない返事をしながらも、自分の思惑が現実になっている事に興奮を覚えていた。


あたしが月乃の自殺方法に水死を選択したのは、学校のプールが使われればいいと思ったからだった。


生徒が学校で自殺をすると、学校で何かがあったからだと思う人が多数いる。


憎い場所をあえて死に場所に選ぶことで、相手に迷惑をかけてやろうと考えるのは不思議じゃない。


川も用水路もあるから学校のプールが選ばれるかどうかは賭けだったけれど、うまく行った。


「先生たちは月乃の身になにがあったのか探ろうとするだろね」


理央が言う。


「そうだね。そうしたくなくても、きっとPTAとかから攻められて、生徒たちにもイジメがあったかどうかの質問が来ると思う」


「アンミと龍輝のスマホには月乃の写真がある。それは決定的な証拠ってことかぁ……」


理央は感心したようにそう言った。


「アンミと龍輝は学校には来れなくなる。その時を見計らってハガキを使う」


「なるほど。そうすれば2人が自殺をするのも不自然にはならない。自分たちのせいで月乃が自殺した、その苦悩から自殺するってワケね」


計画は、完璧だ。