光が死んだのを見届けたあたしたちは、近くの公園に来ていた。


そして月乃に『自殺カタログ』について説明をした。


話を聞いている間月乃は常に半信半疑の顔をあたしに向けていた。


「お父さんの再婚相手を殺したのも、小学生を殺したのも、そして光を殺したのも、全部あたしだよ」


普通の会話を変わらない調子でそう言うと、月乃は「そんなデマ、信用すると思う?」と、ため息を吐いて来た。


信じられなくても当然だ。


あたしだってまだ夢を見ている気分なんだから。


「だけどあたしの話が本当ならすごいと思わない? アンミや龍輝にサインをさせるだけで、月乃はイジメ地獄から解放されるんだよ」


そう言うと、月乃は期待交じりに表情を浮かべた。


ただサインをさせるだけならやってみてもいい。


そんな心情が伝わってくる。


「サインって、なににサインをしてもらったらいいの?」


月乃の質問に、あたしは『自殺カタログ』のハガキを見せた。


ハガキだけなら見せてもなにも書いていないから大丈夫だ。