私は悪夢が訪れた80階フロアで、上の階へと続く階段を見つけると、赤い木刀を片手に再び階段を駆け上がった。




私の左脛は、ゾンビの私に肉を食いちぎられて、真っ赤な血が流れていた。




だけど私は、その傷口から目をそむけ、自分の未来を信じて走り続けた。




私はまだゾンビにはなっていない。




私がまだ早乙女凛子でいるうちは、私は自分にできる最善を尽くしたい。




私が早乙女凛子でいられる時間は、あとどれくいあるだろう?




発症が早い人、遅い人。




今まで色んなパターンがあったけど、私はどっちのパターンだろう?




私の傷口は深い。




私はたくさん、ウイルスをもらったのかなぁ?




だとしたら、私の発症は早いかもしれない……。




時間がない……。




私は早く、最上階に行かなくちゃ……。