早乙女凛子とホラーゲーム

私が何度、赤い木刀で殴っても、ゾンビの私はかじりついた足を放そうとはしなかった。




私の肉を食べることに夢中になっているゾンビの私は、赤い木刀で殴られた痛みも感じず、私の精一杯の攻撃も避けようとはしなかった。




私は涙ににじむ目で、おぞましいゾンビの私を見ていた。




私が望まなくても、あと少し時間が経てば、私もおぞましいゾンビになる。




私はリアルな世界にも帰れず、生きる目的もないままに、ゾンビになって、この『ゾンビ街』をさ迷い歩く。




でも、そんなのって、あんまりだ。




私はもう少しで、早乙女凛子でいられなくなってしまう。




蒼太、私は蒼太との約束を守れそうにないよ。




私はもうゲームオーバー。




この『ゾンビ街』から抜けられないんだ……。