早乙女凛子とホラーゲーム

「食わせろ!」




私はその一言に、心臓が飛び跳ねるくらいの衝撃を受けて、後ずさりをした。




黄色く濁って、光を失った瞳。

だらしなく垂れ流されるヨダレ。

そして、不気味なうめき声。




目の前にいるもう一人の私は、紛れもなくゾンビだった。




私はゾンビに姿を変えた自分の姿に、動揺し、うろたえながら後ずさった。




〈 何で、ゾンビになった私がいるの?

これって、本当に悪夢よ。

私はあんな醜い自分に向き合えない 〉




『センタービル80階に、早乙女凛子のゾンビが現れました。

プレイヤーは早乙女凛子のゾンビを倒して下さい。

センタービル80階に、早乙女凛子のゾンビが現れました。

プレイヤーは早乙女凛子のゾンビを倒して下さい』




私はビル内に響く無機質な声の放送に驚愕していた。




今度の敵は、もう一人の私だった。




私はどうにかして、ゾンビと化した私を倒さなくてはならなかった。




それができなかったら、私はゲームオーバー。




リアルな世界には帰れない……。