早乙女凛子とホラーゲーム

宏美の歯が敦子の首に食い込んだ。




敦子は悲鳴を上げ、もだえ苦しんでいる。




バスの床に宏美と敦子は倒れ込み、宏美は敦子の首の肉を食いちぎって、食べ始めた。




人間が人間を食べる瞬間を私は初めて目撃した。




正確に言えば、宏美はもう人間ではなくウイルス感染したゾンビだろう。




だけど私は、そのおぞましい地獄絵図を見ていると、気持ちが悪くなって吐きそうになった。




ゾンビのウイルスに感染すること。

ゾンビになってしまうことは、こんなにも悲惨で、悪夢な出来事なのだ。




理性をなくして、人間を食うことにしか興味がないゾンビに私はなりたくない。




人はきっと、理性をなくしたときに死ぬべきなんだ。




私は吐き気を感じ、口元を押さえながら、そんなことを考えていた。




宏美が敦子の首の肉をかみちぎり、バスには真っ赤な血が広がった。




その様子を見て、私の前の座席に座っている女性が、その悲惨な光景に耐えきれずに嘔吐した。