『センタービル75階にゾンビが大量発生しました。

プレイヤーは逃げて下さい。

センタービル75階にゾンビが大量発生しました。

プレイヤーは逃げて下さい』




私はビル内に響く無機質な声の放送を聞きながら、全力でビルの階段を駆け上がっていた。




〈 センタービルの最上階は99階。

あと少しだ……。

あと少しで、私はこの世界を終わらせることができるんだ…… 〉




階段を駆け上がり続けてきた私の息は上がり、足の筋肉はパンパンに張っていた。




でも私は、赤い木刀を握りしめ、額の汗を拭いながら、走ることを止めなかった。




私が苦しいとき、なぜだか私の頭の中に、大切な仲間たちの顔が浮かんでくる。




海斗、麻美、雄大、瑞穂。




みんなはもう、頑張りたくても、頑張れないんだよね。




私はつらくても、走るのを止めないよ。




私はまだ、頑張れるから。