早乙女凛子とホラーゲーム

私の頭の中に、蒼太の顔が浮かんだ。




蒼太は今、どうしてるだろう?




蒼太も今、ゾンビたちと戦っているの?




蒼太って、本当は、戦ったり、争ったりするのが苦手だよね。




蒼太って、いつも優しい顔で笑っているから。




私は、そんな蒼太が好きだよ。




でも、蒼太。

蒼太はちゃんと私との約束を守って、このビルの最上階に来てくれるよね。




私は蒼太との約束を守るよ。




蒼太に嘘つきって思われたら悔しいから……。




私は足元に寝転がっているゾンビを振り払うために、決意を固めて、ゾンビが噛みついている赤い木刀を全力で引き上げた。




その瞬間、赤い木刀に噛みついていたゾンビの歯が赤い木刀に突き刺さったまま抜け落ちた。




〈 私はこのビルの最上階に行くよ。

絶対に! 〉




私はゾンビの歯がめり込んだままの赤い木刀を、私の足をつかんでいるゾンビの手首に突き刺した。




腐ったゾンビの肉がグチャリと飛び散り、ゾンビの骨が砕け散る。




私は渾身の力を込めて、ゾンビの手首を押しつぶし、そのままゾンビの手首を引きちぎった。