早乙女凛子とホラーゲーム

「食わせろ!」




そう叫んで、私に迫ってきたゾンビに、私は夢中で赤い木刀を振り下ろしていた。




そして、私が振り下ろした赤い木刀は、ゾンビの頭に直撃し、首がへし曲がった女のゾンビは、膝から崩れ落ち、階段の上に倒れ込んだ。




〈 やった……。

もしかして、私はゾンビを倒したの?

私、案外いけるかもしれない。

私はゾンビと戦える! 〉




死への恐怖から解き放たれた私の足は、カタカタと震えていたけど、私は今いる場所から、上の階を見上げて、決意を固めた。




〈 立ち止まってなんかいられない。

私は行かなくちゃ……。

最上階で蒼太が待ってる! 〉




「食わせろ!」
「食わせろ!」
「食わせろ!」




下から迫ってくるゾンビたちが、私に向けてうめき声を重ね合わせていた。




私がその不気味な声に振り返ると、百体くらいのゾンビたちが、私だけに目を向けて、ものすごい勢いで階段を上ってきていた。




〈 行かなくちゃ…… 〉




私はそう思って、一歩目を踏み出そうとしたとき、何者かが私の足首をつかんで私の足を引っ張った。




私は突然の出来事に、焦って、転びそうになりながら、恐怖に顔を歪めて、自分の足元に目を向けた。




〈 えっ、どうして……。

ゾンビが、私の足をつかんでいる…… 〉




私は恐怖で声も出せないまま、私の足首をつかんでいるおぞましいゾンビに目を向けた。