早乙女凛子とホラーゲーム

〈 また来たわ! 〉




私は下の階でうごめくゾンビたちにドキドキしていた。




〈 あんなにたくさんのゾンビとなんて戦えない……。

私は最上階を目指さなくちゃ 〉




私は赤い木刀を握りしめ、階段を上へ向かって走り出した。




今、下の階から迫ってくるゾンビの群れに追いつかれたら、私は絶対に助からない。




今までなら、私を助けてくれる仲間がいたけど、今は誰もいなくて、私は一人だ。




〈 全力で走るしかない。

最上階に着きさえすれば、すべてが終わるはずだから。

私は最上階で、この『ゾンビ街』を叩き壊すんだ。

絶対に! 〉




強気にならなくちゃ、不安に押しつぶされそうで怖かった。




マイナス思考は、悪い結果を引き連れてきそうで、私はプラス思考を貫きたかった。




私は蒼太が私との約束を守り、必ず最上階に来てくれると信じている。




だから、私も絶対に蒼太との約束を守らなきゃ……。




蒼太との約束のためにだと思うと、私は本気になれる。




だから蒼太も頑張って。




私たちのゴールはあと少しだから。




私が全力で階段を駆け上がり、順調に階を重ねていると、階段の上の方から、一体のゾンビが下りてきた。




首がへし曲がり、顔の肉がそげ落ちた不気味な女のゾンビは、私と目を合わせると、ヨダレを垂れ流して、ニヤリと笑った。




私は走り続けていた足を止め、上の階から迫ってくる女のゾンビを見上げていた。




下の階からは、大量のゾンビが階段を上がってきていて、下にはどこにも逃げ道はない。




でも、上の階からもゾンビが迫ってきていて、私は狭い階段で、挟み撃ちにあっていた。