〈 真ん中の階段に決めた! 〉




私はそう決断して、真ん中の階段に向かって走り始めた。




〈 真ん中の階段が正解かなんてわからない。

でも、私は私らしく真ん中の階段を行くんだ。

私はいつも真ん中の道を走りたいから 〉




私が真ん中の階段を駆け上がり始めると、階段の入口に鉄格子が下りてきて、けたたましい音とともに、私の退路を塞いでいた。




私はそのけたたましい音に、一度だけ振り返り、自分の退路がなくなったことを確認してから前を向いた。




〈 初めから、私に引き返す道なんてなかったんだ…… 〉




私はそう思って、遥か上の方まで続いている階段を見上げた。




〈 私が目指すのは、この最上階のみ。

私は最初から、引き返すつもりなんて少しもないから! 〉




私は残り半分を過ぎたセンタービルの階段を懸命に駆け上がっていた。




ゴールまであと少し。




私は絶対に、この最悪の世界を壊してみせる!