早乙女凛子とホラーゲーム

〈 『ゾンビ街』はゲームの世界だから、きっと五つの選択肢に、アタリとハズレがあると思う。

アタリを引いたら、簡単なステージに、ハズレを引いたら、難しいステージに……。

だけど、正解なんてわからない……。

見た目はみんな同じ階段だから 〉




『センタービル50階にまもなくゾンビが押し寄せてきます。

早く避難して下さい。

センタービル50階にまもなくゾンビが押し寄せてきます。

早く避難して下さい』




ビル内にまたあの無機質な声の放送が流れた。




〈 早くしないと、ゾンビがここに来る。

もう迷ってなんかいられない。

正解がわからなくても、私たちは前に進まなくちゃ 〉




「急がなきゃ……。

奴らがここに来る」




「ドリーム社の演出は最低ね。

私たちに考える時間もくれないなんて……」




「迷っててもしょうがないよな。

オレは、一番右の階段を上っていくよ」




蒼太はそう言って、私に優しい笑顔を見せた。




〈 蒼太は本当に優しいね。

優柔不断なくせに、私が迷わないように、すぐに自分が行く道を決めたんだね。

言葉にしなくても、わかるよ。

蒼太はそんな人だよね 〉