早乙女凛子とホラーゲーム

「凛子、残りの銃弾は?」




耳元で囁かれた蒼太の声に、私は答えた。




「あと一発よ」




「オレもだ。

次の一発を外したら、あとはない……」




蒼太のその言葉を聞いて、私の体に緊張が走る。




もしも私たちが放つ銃弾が、死神先生の頭に当たらなかったら、その時点で私たちに助かる見込みがなくなってしまう。




戦う術を持たない私たちは、無抵抗のまま、ゾンビたちの餌食になるだろう。




「私は夢とか希望とか、そんな言葉が嫌いなんだ。

私はそんな言葉をずっと前に捨てたから……」




憎しみのこもったそのしゃがれた声に、私はゾクリとして、息をのんだ。




「私は人間の未来を奪いたい。

そんなものは、眩しすぎて、この『ゾンビ街』には不要なんだ。

お前らも、私と同じゾンビになれ!」




「ヤバイ、凛子。

来るぞ!」




私は蒼太の言葉に、ドキリとするばかりで、銃を構えるのを忘れていた。




「憎き人間、その新鮮な肉を食わせろ!」




死神先生はそう叫ぶと、私に勢いよく襲いかかってきた。