早乙女凛子とホラーゲーム

「逃げるぞ!」




蒼太がそう言って、私の手を強く引いた。




私はそれにつられて立ち上がり、呼吸が整っていないまま、走り出した。




蒼太に手に引かれて、蒼太の背中を追うように、私は走る。




それはまるで、私が趣味でやっている乙女ゲームのワンシーンみたい。




私は乙女ゲームをやりながら、ゲームの恋人役が、蒼太ならいいのにって、いつも心の中で思ってた。




もしも私が、素直な自分になれるとしたら、私は蒼太に甘えてみたい。




私は蒼太に優しくされたい。




だけど、そんなのって、私じゃないよね。




私はへそ曲がりな凛子だから。