早乙女凛子とホラーゲーム

「凛子、屈んで、草むらに隠れろ」




蒼太の声を聞いて、私が蒼太の顔に目を向けたとき、蒼太は決意に満ちた真剣な顔つきで、じっと私を見つめていた。




「奴らは目が悪い。

草むらに隠れて、息を止めれば、奴らはオレたちの居場所を見失う。

まだ、あきらめちゃダメだ。

オレたちはまだ、終わっていないから」




私は蒼太の言葉に小さくうなずき、蒼太と一緒に草むらの中に体を隠した。




そして、息を止め、音を立てないように、草むらの中を四つん這いで進んでいった。




私は、私を守ってくれようとする蒼太が、頼もしくて、蒼太に守られていることがうれしかった。




私たちは、ゾンビたちに見つからないように、息をひそめながら、このセンタービルの最上階へと続く階段を必死に探していた。




〈 蒼太、私は蒼太にありがとうなんて、言ったことないよね。

だけど、口に出せないだけで、私はいつも思ってる。

蒼太、ありがとうって…… 〉




「食わせろ!」
「食わせろ!」
「食わせろ!」




ゾンビたちのおぞましい声が聞こえてきて、私は身震いした。




ゾンビたちは、間違いなく私たちの近くにいる。




見つかってはいけない。




奴らに囲まれたら、私たちはゲームオーバーだ。