早乙女凛子とホラーゲーム

〈 死神先生を撃つなら、もっと近づいて、確実に頭を撃たなくちゃダメよ。

最後の一発だから、絶対に外せない 〉




私は一度、構えていた拳銃を下へ向け、乱れる呼吸を整えた。




〈 最後の一発を撃つのは、怖い……。

でも、撃たなきゃ。

私は前に進まなきゃ 〉




「敵が私だけじゃ、退屈だろ?」




死神先生はそう言うと、不気味にニヤリと笑い、両手を広げて、声を上げた。




「ゾンビども、このフロアに生きた人間が来たぞ!」




死神先生がそう言うと、腰の高さまである草が、ガサガサと音を立てて、揺れ始めた。




「遠慮はいらない。

新鮮な肉を食え!

希望に満ちた人間を絶望の世界に引きづり込め!」




死神先生のその叫び声に応えるように、草むらから次々とおぞましい姿のゾンビが現れた。




「ヤバイよ、蒼太。

死神先生の他にゾンビが五体もいる!」




「オレたちに残された銃弾は、残り三発。

これじゃ、戦えない……」




最悪のシナリオが私の頭の中に浮かんできた。




私たちはこの場所で、ゾンビたちを倒すことも、助けを呼ぶこともできない。




ゆっくりと迫りくるゾンビたちに抵抗する手段が、私たちにはもうなかった。




〈 もしかして、私たちはゲームオーバー…… 〉




そんな考えが私の頭の中に浮かんだとき、蒼太が私の耳元でささやいた。