早乙女凛子とホラーゲーム

「とりあえず、下から迫ってくるゾンビたちの驚異は消えたけど、この部屋はいったい何なんだろう?」




私は蒼太にそう言われて、木々が生い茂る部屋の中を見まわした。




〈 ビルの中にこんな森みたいな場所があるなんて、いったいどういうことなの?

この違和感のある空間もドリーム社の演出なの?

だとしたら、この部屋には敵が潜んでいる。

絶対に! 〉




「ついにここまで来たか、たいしたものだ」




部屋の中に聞き覚えがある不気味な声がして、私はその声がした方に目を向けた。




〈 あれは、死神先生…… 〉




私は二度と見たくなかった死神先生の顔を見ると、ゾッとして血の気が引いた。




人間をゾンビとして生き返させる蘇りの薬を開発したのは、私たちの目の前にいるこの浅田正義だ。




この痩せこけた老人のせいで、この『ゾンビ街』ではたくさんの悲劇が生まれた。




そして私たちは、ミッション2で、この死神先生の意外な秘密を知ってしまった。




ずっと人間だと思っていた死神先生は、知性を持ったゾンビだ。




だから、死神先生の脳を破壊しない限り、死神先生は死なない。




私はそんなことを思いながら、スカートのウエスト部分に忍ばせていた拳銃を手に取った。