『センタービル6階にゾンビが大量発生しました。

プレイヤーは逃げて下さい。

センタービル6階にゾンビが大量発生しました。

プレイヤーは逃げて下さい』




どこからともなく、この階段へと溢れ出てくるゾンビたち。




ここは悪夢の世界だから、いくらでもゾンビを発生させることができるのかと、私は思った。




私は階段の手すりをつかみ、身を乗り出して下の階に目を向けると、そこにはまた、ところ狭しとゾンビたちが集まっていた。




「凛子、ゾンビたちは下からだけ押し寄せてくる。

まるで洪水で水かさが増していくみたいに」




走りながら蒼太が私に話しかけた。




「だけど、オレたちが目指す場所は、このビルの最上階だ。

だから、奴らに追いつかれさえしなければいいんだ。

そうすれば、きっとオレたちはミッションをクリアできる。

リアルな世界に帰れるんだ」




私は蒼太のその言葉に希望を持った。




私たちは、この『ゾンビ街』を抜け出せる。

絶対に!