早乙女凛子とホラーゲーム

動かなくなった海斗を押しのけて、蒼太が立ち上がり、泣いてる私の目を見つめていた。




「凛子、サンキュー。

助かったよ」




ゾンビたちが私たちに押し寄せていた。




それはまるで津波みたいに……。




あの集団に飲み込まれたら最後、どうやっても助からない。




「凛子がいなかったら、ヤバかったよ。

きっとオレは食われてた」




蒼太の言葉を聞いてると、私の涙は余計に止まらなかった。




「蒼太、私がしたことって、正しかったのかな?

私、海斗を殴ったの。

まだ、私の両手に、海斗を殴ったときの衝撃が残ってる……」




「凛子……。

仕方なかったんだ……。

凛子は少しも悪くない」




私には蒼太のその言葉が、とっても温かかった。




蒼太、言葉って、傷ついた人の心を癒してくれるんだね。




私、知らなかったよ……。




私は優しい言葉なんて、使ったことがなかったから……。