【『ミッション1』

皆さま、ここに描かれている地図を見て下さい】




私は文章の指示通りに、そこに描かれている地図を見つめた。




そこに描かれている地図は、『ゾンビ街』の世界の地図で、その地図の一点だけが赤い丸で囲まれていた。




〈 この赤い丸は何?

ここには何かがあるの? 〉




その赤い丸は、縦横五キロしかない『ゾンビ街』の世界のうちの半径二百メートルを示している小さな円だった。




【この赤い丸に囲まれた場所のどこかに、1から30までの数字が書かれたスイッチがあるドリーム社のロゴ入りの機械を用意しました。

今から二時間以内に、そのドリーム社のロゴ入りの機械のスイッチを押すのが、皆さまに与えられた最初のミッションです。

もしも二時間以内にそのスイッチを押せない場合は、ドリーム社が送り込んだ警官隊が、皆さまを連行します。

皆さまはドリーム社が送り込んだ警官隊からは、決して逃げることができません。

その理由は『ゾンビ街』がそういうゲームの設定になっているからです。

警官隊に連行されたプレイヤーは、牢屋に入れられゾンビの餌になります。

つまりはゲームオーバー。

そのプレイヤーはウイルスに感染し、ゾンビになって、この『ゾンビ街』の世界をさ迷い続けることになります】