「蒼太、オレたちは親友だ。

そのオレをお前は本当に殴れるのか?」




「たしかに、オレたちは親友だった。

でも、オレたちはここで、命をかけて戦わなくちゃならない理由がある」




蒼太はそう言うと、真剣な顔つきで海斗をにらみつけた。




「オレたち『ゾンビ街』のプレイヤー全員が、ドリーム社に負けるわけにはいかないから。

オレはこの悪夢を悪夢のままで、終わらせない!」




「立派な信念だな」




海斗はそう言って、不気味に笑った。




「でも、絶望の中にいるオレには、その信念が鼻につく。

蒼太、お前もオレの仲間になれ。

新鮮な肉をオレに食わせろ!」




そう叫んだすぐ後に、海斗は猛然と蒼太に襲いかかった。




私はその様子を息を止め、胸が張り裂けそうな思いで見つめていた。