早乙女凛子とホラーゲーム

『センタービル一階に、大量のゾンビが発生しました。

プレイヤーの皆さん、逃げて下さい。

センタービル一階に大量のゾンビが発生しました。

プレイヤーの皆さん、逃げて下さい』




無機質な声の放送が、センタービル内に繰り返し響く中、私たちはセンタービルの主階段を全力で駆け上っていった。




私たちには、ゾンビたちと戦う武器がほとんどない。




蒼太は三発しかない銃弾をすでに一発使ってしまった。




ゾンビたちはどこからともなくセンタービル内に大量に現れてきて、私たちを餌食にしようと、うめき声を上げながら、階段を上ってきていた。




そして、そのゾンビの群れの中の一体のゾンビが、ゾンビとは思えないような素早さで、私たちに猛然と迫っていた。




「人間め、食わせろ!」




私がその声に怯えながら振り返ったとき、私は直感的に追いつかれると思った。




私たちは息切れしながら階段を上っているのに、そのゾンビは階段を上るスピードをしだいに上げていた。




「凛子、先に行け!」




蒼太がそう言って、立ち止まった。




私は何が起きたかもわからないまま、蒼太の少し先で立ち止まった。




ねぇ、蒼太。

何を考えているの?




私たち、この『ゾンビ街』を一緒に抜け出すんだよ。




私たち、ちゃんと約束したよね。