早乙女凛子とホラーゲーム

「待てよ、凛子。

一人で行くなよ!」




「蒼太がモタモタしてるから。

私が急かさないと、蒼太はなかなか動かないでしょ」




「そんなことないよ。

オレだって、こんな最悪の世界から早く抜け出したいから」




「ヒッ、ヒッ、ヒッ。

センタービルに入る前からケンカかね。

ヒッ、ヒッ、ヒッ。

先が思いやられるね」




「うるさい!」




私は自分が抱える不安と恐怖を振り払うかのように、叫んでいた。




「あんたにはわからないでしょうけど、これが私と蒼太の普通の会話なの。

私は、意味もなく人と会話を合わせるのが大嫌いなの。

そんなことって、絶対に無理なの!」




私がそう叫ぶと運転手のゾンビは、醜い顔でニタッと笑った。




私はその人をバカにしたような笑みを見て、腹が立った。




ゾンビまで、私のわがままな性格をバカにするの?




でも、それも上等よ。




私は早乙女凛子。




私はいつだって、私だから。