早乙女凛子とホラーゲーム

私たちが乗っているジープは、センタービルの正面玄関の前でゆっくりと止まり、私はそこにある巨大なビルを見上げていた。




「ついに着いたな。

ここでミッション3をクリアすれば、オレたちはリアルな世界に帰れるんだ」




「ヒッ、ヒッ、ヒッ。

そんな風になれるもんか。

このビルにあるのは、絶望だけだ」




「黙って!」




私は不快感を隠せずに、運転手のゾンビに叫んでいた。




「私たちに絶望なんてない!

私たちの未来は開けてるの!

私たちは、ゾンビじゃないから。

私たちは、人間だから!」




私はムキになってそう言うと、ジープから降りて、蒼太に話しかけた。




「蒼太、早く行くよ。

一分一秒でも早く、こんな最悪の世界から抜け出したいから。

蒼太は男なんだから、しっかりしてよ。

私も蒼太を少しだけ頼りにしてるんだから」




そう言って、蒼太に背を向けて、センタービルの正面玄関に向かう私って、きっとかわいくないよね。




でも、私は自分を変えられない。




私は強くて、わがままで、口が悪い早乙女凛子。




私の悪い性格は、きっと一生治らない。