「ヒッ、ヒッ、ヒッ。

それじゃ、地獄に行こうかね。

あんたたちは、そこで絶望を知るといい。

オレたちゾンビが抱えているような深い深いを絶望をね」




運転手のゾンビは、最後にそう言うと、ジープのアクセルを踏み込み、ジープを急発進させた。




そのとき、美紗がいる家の庭に砂煙が上がる。




私はその砂煙を見つめながら、もう二度とこの家に来ることはないのだろうと思った。




センタービルに行く私たちに残された未来は、二つしかない。




ミッションをクリアして、リアルな世界に帰る。

もしくは、ミッションクリアに失敗して、ゾンビの餌食になる。




センタービルには、どんな絶望が待っているのかを私は知らない。




でも、私たちは行くしかないんだ。




自分の未来を勝ち取るために。

ドリーム社に負けないために。