早乙女凛子とホラーゲーム

「口を閉じろ、運転手!」



蒼太がそう叫んで、拳銃をゾンビに突きつけた。




「あんたは道先案内人だろ?

だったら、自分の仕事をさっさっと終わらせて、オレたちの前からいなくなれ!」




蒼太はそう言って、私のとなりの席に座った。




蒼太が怒った顔を見せるのって、珍しいなぁって、私は思った。




リアルな世界にいたときは、いつも優しい蒼太の顔しか見なかったから。




蒼太が怒るなんて、私は知らなかったから。




ねぇ、蒼太。

私は、私が知らなかった蒼太をたくさん知りたい。




そして、いつの日か、蒼太のすべてを理解したい。




蒼太、私たちは絶対にリアルな世界に帰れるよね。




私たちがいる場所は、この『ゾンビ街』じゃないから。