朝、目を覚ますと窓から明るい光が刺していた。




私はゆっくりと目を開き、窓から空を見上げた。




『ゾンビ街』は本当に最悪の世界なのに、空は澄みわたっていて、きれいだった。




私はベッドの上で上半身を起こし、目が覚めたばかりのハッキリしない意識の中で、昨日の夜のことを思い出していた。




昨日の夜、蒼太は後ろから私を強く抱きしめた。




それは本当に蒼太らしくなくて、私をすごくドキマギさせた。




いつも蒼太に悪態ばかりついている私も、そのときは何も言えずに、背中で蒼太を感じていた。




ねぇ、蒼太。




昨日の夜は夢じゃないよね。




私と蒼太の気持ちは、あのとき繋がっていたよね。




ねぇ、蒼太。

私たちは一緒にリアルな世界に帰れるよね。




私はもう一度、リアルな世界で蒼太と向き合いたい。




蒼太は私にとって、誰よりも大切な人だから。