早乙女凛子とホラーゲーム

私は倉庫内を走り抜け、棚にある蘇りの薬が入った瓶を機関銃で次々と叩き落とした。




蘇りの薬が入った瓶は、倉庫内のコンクリートの床に落ちると、乾いた音を立てて割れていった。




そして私は、コンクリートの床に蘇りの薬の液体が広がるのを見ると、嫌悪感で吐き気がした。




醜いゾンビたちは、醜い姿のまま、未来に夢も希望もなく知性を失うことだけを恐れて生きていた。




でも、それって本当におぞましい。




ゾンビたちの未来には、絶望しかないはずだから……。




私が吐きそうになりながら、必死に蘇りの薬を破棄しているとき、誰かが私のセーラー服を勢いよく引っ張った。




私は予期せぬその強い力によろけて、倒れそうになる。




でも私は、左手で必死に棚をつかみ、倒れることを免れると、私のセーラー服を引っ張る手を振りきって、振り返った。




「お姉ちゃんは、いけない人だね。

大切な蘇りの薬をこんなにたくさんダメにしちゃって……」




〈 この子は、亜矢子…… 〉




私は私の背後に立っていた子どものゾンビ、亜矢子を見て、後ずさった。




「お父さんが言ってた。

人間は、『ゾンビ街』の秩序を守れない悪いヤツだって。

お姉ちゃんって、悪いヤツだよね。

私、お姉ちゃんを許さない!」




機関銃の銃弾が切れている私は、亜矢子と戦いたくても、戦うことができなかった。




私は亜矢子の醜い顔を見つめながら、迫りくる死への恐怖を感じていた。