早乙女凛子とホラーゲーム

バスの中に痩せこけた男のゾンビが一体入り込み、バスの中に悲鳴が響いた。




人間をゾンビに変えるウイルスを持つ恐怖の対象は、悲鳴を上げる宏美の背中に張りついて離れなかった。




バスに乗っているプレイヤーたちは、みんな座席を立ち、悲鳴を上げながら男のゾンビから離れていった。




「凛子、海斗、早く逃げろ!

そいつに近づくな!

噛みつかれたらウイルスをもらうぞ!」




蒼太の私たちを心配する声が、私の耳に届いた。




「もうその女子高生はダメよ!

二人とも逃げて!」




聞こえてきた麻美の声は、恐怖で震えていた。




「誰かそのゾンビを撃てよ!」


「ダメだ!

こんな場所で撃ったら、誰かに流れ弾が当たるぞ!」


「誰かそいつをつまみだせよ!

そいつに噛まれたら、ウイルスをもらっちまうんだ!」




バスの中が騒然となっている中、バスに何かがぶつかる大きな音がして、バスが揺れた。




バスは勢い良くゾンビの群れに突っ込み、ゾンビたちをなぎ倒しながら進んでいた。




「運転手!

絶対に止まるなよ!

止まったら、もう前には進めねぇぞ!」




章がそう言って叫ぶと、和真は、章に言い返した。




「黙れ、クソガキ!

オレに指図するな!

お前は黙って座ってやがれ!」