早乙女凛子とホラーゲーム

「蒼太、この工場の設備は、全部吹き飛ばしたよ。

だから、もうこの工場から出よう。

私たちが次に目指す場所は、死神先生の倉庫よ」




騒がしい最上階の廊下で、私の声が通り抜けていく。




蒼太は、私の声にうなづき、後退するスピードを速めながら、機関銃を乱射していた。




「蒼太、海斗、走って逃げてきて!

そのゾンビたちは、ダイナマイトで吹き飛ばすよ。

反対側の階段から逃げよう。

生き残ることだけ考えよう」




私はそう叫んだあとに、雄大に顔を向けた。




「雄大、ダイナマイトをちょうだい。

蒼太と海斗が逃げてきたら、ダイナマイトでゾンビたちを吹き飛ばすから」




「凛子さん、これが最後のダイナマイトです」




頼りない雄大が、真剣な顔つきで私を見つめて、最後のダイナマイトを私に手渡した。




私は廊下でまだくすぶっている炎にダイナマイトを近づけ、ダイナマイトの導火線に火をつけた。




「雄大、私がダイナマイトを投げたら、みんなで一斉に逃げるよ。

雄大は人よりも足が遅いから、先に逃げて!」




「でも、凛子さん!」




「いいから、早く!」




雄大は私の言葉の強さに、自分の考えを引っ込めて、うなづき、迫りくるゾンビたちに背を向けて、反対側の廊下へと走り出した。




私の方に全力で走ってくる蒼太と海斗。




導火線を伝う赤い炎。




私は、ほんの数秒が貴重なこの瞬間に、ダイナマイトを投げるタイミングを計っていた。




私はダイナマイトの炎の壁で、この廊下を塞いでやるんだ。




そして、全力で逃げなきゃ。




ミッションをクリアするために。