早乙女凛子とホラーゲーム

群がるゾンビたちを振り払うように、バスはゆっくりとバックしていった。




〈 運転手は勢いをつけて、ゾンビの群れに突っ込むつもりだわ。

海斗、早くして!

バスに乗り込むの! 〉




朱美と私がもみ合いを続ける中で、
誰かがバスに乗り込む音が聞えた。




私がその音に振り返ると、海斗が倒れ込むようにしてバスに乗り込んでいた。




「海斗!」




私が海斗の無事をよろこび、海斗の名前を呼んだとき、
ゆっくりとバックしていたバスは急停車して、バスの中が大きく揺れた。




〈 ついにゾンビの群れに突っ込むつもりね。

このバスは今から急発進するわ! 〉




バスがタイヤをきしませ、急発進した。




でも海斗は、バスのドアから外に手を伸ばし、宏美に向かって叫んでいた。




「早くオレの手につかまれ!

このバスに乗るんだ!」




海斗と一緒に逃げてきた宏美は、泣きながら必死になってゾンビから逃れるために走っていた。




でもそのとき、宏美に痩せこけた男のゾンビがしがみついた。




「た、助けて!

誰かお願い!

私を助けて!」




泣き叫ぶ宏美に海斗は手を伸ばし、海斗の手が宏美の手をしっかりとつかんだとき、
たくさんのプレイヤーを乗せたバスはスピードを上げて走り始めた。