早乙女凛子とホラーゲーム

〈 ダメよ!

この人に勝手なことはさせないわ!

このドアが閉まったら、海斗は死ぬの!

この人には、ドアを触らせない。

絶対に! 〉




「どきなさいよ!

あなた、そこをどきなさいよ!」




朱美は、鬼の形相で、私を押しのけようと、私をつかむ両手に力を込めた。




バスの外から、ゾンビたちのうめき声が、まるで合唱のように聞こえてくる。




「食わせろ!」

「食わせろ!」

「食わせろ!」




窓ガラスにへばりつく、ゾンビたち。




そのゾンビたちの顔は、醜くて、憎しみに満ちていた。




「運転手!

もう限界だよ。

走れ!

車を走らせろ!」




バスの中に響いたその叫び声に、和真はついに、バスのアクセルを踏み込んだ。