早乙女凛子とホラーゲーム

「ひ、ひぃぃぃ。

ゾンビが……、ゾンビが……」




濁った黄色い瞳で、雄大をギロリとにらむゾンビに怯えて、雄大は震え上がった。




「雄大、最上階まであと少しだ。

頑張れ!」




蒼太はそう言って、雄大の肩をポンと軽く叩いた。




「ゾンビはオレたちに任せろ!

雄大はダイナマイトで、工場の施設を吹き飛ばせ!」




海斗の言葉に雄大はうなづき、階段の手すりを両手でつかんで、少しずつ階段を上っていった。




「お前たち、そこをどけ!

工場は爆破させない!」




知性を持った白髪混じりのゾンビが、よだれを垂れ流しながら、海斗と蒼太に向かって、叫んでいた。




「知性の薬は、オレたちの希望だ!

オレたちの希望を奪うな!」




白髪混じりののゾンビが必死に叫んだその言葉に、私の胸は苦しくなった。




もしも、自分が知性を失って、醜い姿でさ迷い歩くだけのゾンビになったらと、逆の立場が頭をよぎる。




だけど、それでもきっと、悲しみの連鎖を断ち切るのが、正義なんだと私は思う。




だから蒼太、そのゾンビに、絶対に負けないで!