「スゲーぜ。

何だよ、この設備は……」




最上階の窓から見た工場の設備は、私たちが予想していたよりも大きくて、
私たちは度肝を抜かれた。




「この大きな設備で、何体のゾンビが働かされていたのかなぁ?」




「ここで働いていたゾンビたちは、悲しい存在だよ。

知性の薬をエサに、強制労働させられてさぁ。

知性を保っても、人間には戻れないのに」




蒼太のその言葉を聞いて、胸に悲しみが込み上げてくる中、
私は、はっきりとした口調で、みんなに言った。




「私たちが、ゾンビたちの悲しみの連鎖を断ち切ろう。

やっぱり死者は、蘇っちゃいけないのよ。

そんなことくらい、知性のあるゾンビたちも気づいてるよ」