早乙女凛子とホラーゲーム

「待って、海斗がまだバスに乗ってないの!

運転手さん、海斗を待って!」




私がそう叫んだとき、バスに乗っているプレイヤー全員が、悪意のある視線を私に向けた。




みんなが何も言わなくても、みんなの心の声が私に聞こえてくる。




〈 お前、何言ってやがる! 〉

〈 一人くらい見捨てろよ! 〉

〈 勝手なこと言うなよ!

お前のせいで、みんなが死ぬんだぞ! 〉




みんなの悪意を一身に浴びながら、私が窓の外に目をやると、海斗が一人の女性をかばいながら、バスに向かってきていた。




「来たわ!

海斗が来たわ!」




ゾンビたちに囲まれながら、バスに向かってくる海斗と女子高生の真中宏美。




私はその緊迫の場面を見て、バスの入口から叫んでいた。




「海斗、早くバスに乗って!

早く!」




私がそう叫んだとき、和真に詰め寄っていた章が、私を怒鳴り散らした。