早乙女凛子とホラーゲーム

「これでも食らえ!」




海斗がそう言って、手榴弾の安全ピンを抜いて、階段の下の方にいるゾンビの群れに投げ込んだ。




海斗が投げた手榴弾が、ゾンビの群れの中に落ちて数秒後、
強烈な爆発音とともに、火柱が上がり、
ゾンビたちを吹き飛ばした。




「手榴弾って、スゲェな。

何か病みつきになりそうだぜ」




「手榴弾なんて、『ゾンビ街』でしか使わないんだから……。

海斗は自衛隊に入るわけじゃないでしょ」




麻美がそう言って、困ったような顔で海斗を見つめると、
海斗もなぜだかモジモジして、歯切れの悪い言葉で言った。




「あいつらを倒さないと、リアルな世界に帰れないからさ。

『ゾンビ街』じゃ、戦うことが正義だぜ」




「ねぇ、蒼太。

海斗と麻美は、緊急事態なのに、見つめ合ってるよ」




「しょうがないじゃん。

好き同士なんだから」




「蒼太、本当にいいの?

『ゾンビ街』はホラーゲームなのに、恋愛ゲームみたいなことしてるんだよ」




「海斗と麻美は、恋愛ゲームしてるわけじゃないの。

本当の恋愛なの」




「いいなぁ、恋愛って……」




雄大が額に大粒の汗をかきながら、そうつぶやいた。




「雄大も恋愛したいなら、ダイエットしなくちゃダメよ。

恋愛には、努力も必要なのよ」