「だんだん暗くなってきたね。

今、何時かなぁ?」




私がそう言うと、雄大がポケットからスマホを取り出し、時間を確認した。




「今は午後五時二十分。

早く浅田先生の倉庫に行かないと、時間切れになります」




「ミッション2のタイムリミットは、午後七時だ。

スマホで地図を見る限り、浅田先生の倉庫は近いぜ」




「蘇りの薬を全部、破棄しないとね。

もう二度とゾンビが生まれないように」




私たちがそんなことを話しながら、浅田先生の倉庫を目指して歩いていると、
私たちの目の前に巨大な建物が現れた。




「すごい建物だなぁ。

でも、この建物って、いったい何だろう?」




蒼太がいつものように、呑気な口ぶりでそう言うと、
それとは対称的に、海斗が緊張感のある声で私たちに言った。




「ここは、あの死神先生の工場だ。

この工場には、たくさんのゾンビたちがいるはずだぜ。

この工場で、蘇りの薬は作られているんだからな」




私はそう言われて、その巨大な工場を見上げた。




この工場は、奇跡の部落でたくさんの悲劇を生む原因になっている。




ゾンビたちは、知性を持ってしまったから、自分の呪われた存在に気づいてしまったんだ。




私はこの工場でうごめくゾンビたちを想像すると、ゾッとして体が震えた。