早乙女凛子とホラーゲーム

もしも時間を巻き戻せたらと、麻美は思った。





海斗がゾンビに噛まれる前の時間に……。

自分たちが、この解毒剤倉庫に来る前の時間に……。

自分たちが『ゾンビ街』に来る前の時間に……。




どうして時間は、前ばかりを向いて、振り向いてはくれないのだろう。




もしも、時間を巻き戻せたら、自分たちにはやり直したいことがたくさんある。




それなのに……。




「麻美、機関銃を構えろ!」




「海斗、でも、私は……」



「いいから構えろ!」




海斗が有無を言わせない口調でそう叫んだとき、麻美はゾンビたちに機関銃の銃口を向けていた。