早乙女凛子とホラーゲーム

「食わせろ!」




私の前ではゾンビがうめき声を上げて、私の行く手を塞いでいた。




体を揺らしながら私に迫ってくるゾンビたち。




皮膚は腐り、悪臭を放ち、汚ならしいヨダレを垂らしながら、迫りくるゾンビたちに、私は嫌悪感を感じていた。




〈 こんな醜いゾンビになって生き続けるなんて、私にはできない。

たとえ知性を保つことができたとしても、やっぱりゾンビはゾンビよ。

私には、私なりの美学がある。

私は絶対にゾンビにならない! 〉




「凛子、海斗が一人で行っちゃったよ」




「呑気なこと言わないの!

私たちもあの部屋に行くのよ!」




「でも、オレたちの目の前には、こんなにたくさんのゾンビたちが……」




「根性出しなさいよ。

海斗にできて、蒼太にできなかったら、おかしいでしょ!」




私たちがここで、麻美と瑞穂を見捨てたら、二人もこの醜いゾンビたちの仲間になってしまう。




そんなこと、私はさせない。




私たちはみんな一緒に、この悪夢の世界を抜け出すのだから。