早乙女凛子とホラーゲーム

麻美は、部屋に転がっている瑞穂の死体を見つめながら、最悪の事態を想像していた。




〈 逃げ場のないこの部屋に、ゾンビたちが入ってくる。

ゾンビたちの標的は、この私……。

私はゾンビたちに食べられて…… 〉




絶望的状況とは、きっと今の自分のような状況だろうと、麻美は思った。




あと少ししたら、自分がゾンビたちに襲われることはわかっている。




それなのに、自分は逃げ場もなく、部屋の隅で怯えていることしかできなかった。




〈 何で私は、『ゾンビ街』の世界に来ちゃったんだろう。

ただの遊び感覚のアルバイトだったはずなのに、私はこれから、ゾンビたちに食べられるんだ……。

そしたら私は、二度とリアルな世界には帰れない。

お父さんやお母さん、友だちにも会えないんだ…… 〉




麻美が恐怖でカタカタと体を震わせているとき、南側のドアから、ゾンビたちが入ってきた。




麻美はついに訪れた最悪の瞬間に、怯えながら、目を見開いた。




次々と部屋の中に入ってくるゾンビたちを目の前にして、麻美は恐怖に身を固め、戦う気持ちをなくしていた。