早乙女凛子とホラーゲーム

解毒剤倉庫の南側の階段には、機関銃の銃声を聞きつけたゾンビたちがいた。




幅二メートルほどの階段は、ゾンビたちに埋め尽くされ、麻美がそのゾンビの群れの向こう側に行くことは、不可能だった。




麻美は逃げ道が塞がれたことに動揺し、膝を震わせながら、後ずさりをした。




〈 南側の階段からは、絶対に逃げられない。

私は北側の階段から逃げなくちゃ…… 〉




麻美にモタモタしている時間はなかった。




もしもゾンビの群れに囲まれたなら、自分は身動きも取れないままに、ゾンビの餌食になってしまう。




そしたら、自分もゲームオーバー。




自分はウイルスをもらって、瑞穂みたいに……。




麻美は恐怖にかられながら、北側の階段を目指して、全力で走り始めた。




そして麻美が、北側の階段の手前まで逃げてきたとき、麻美はそこでもう一度、悪夢の光景を目にした。