早乙女凛子とホラーゲーム

けたたましい銃声とともに、瑞穂の体が吹き飛んだ。




本当は助けたかった瑞穂を撃ってしまったことに、麻美の心は、引き裂かれそうなくらいに痛んだ。




もしも、もう少し早く解毒剤を見つけていれば……。

もしも、瑞穂の発症が、もう少し遅れていれば……。

もしも、瑞穂がウイルスをもらっていなければ……。

もしも……。

もしも……。





麻美がいろんなことを考えながら、床に倒れた瑞穂を見ていると、
銃弾を顔に何発も浴びて、顔がグチャグチャになった瑞穂が、再びゆっくりと立ち上がった。




もうそこには、麻美の仲間だった瑞穂はいなかった。




知性を失ってしまった瑞穂は、麻美を誰だかもわかってはいなかった。




『ゾンビ街』のプレイヤーは、ウイルスをもらって、発症したとき、
その時点でゲームオーバーなんだと、麻美は思った。




だからもう、目の前にいる顔がグチャグチャのゾンビを瑞穂だなんて思ってはいけない。




瑞穂を撃たなくちゃ、自分もウイルスをもらってしまう。




麻美は自分のつらい感情を押し殺して、機関銃の銃口を瑞穂に向けた。