｢瑞穂、それじゃ、部屋を一つ一つ探していくよ｣




｢はい、麻美さん｣




そう答えた瑞穂の声は弱々しかった。




麻美と瑞穂は、五階の一番南側にある部屋に入り、
その部屋にある棚を手当たりしだいに探し始めた。




〈 早くしないと、瑞穂が発症しちゃう。

発症したら、瑞穂はもう二度と人間には戻れない。

ゾンビが人間に戻れるなら、死神先生の娘は、とっくに人間に戻っているはずだから 〉




麻美は急いで、次々と部屋の中にある棚の中を探していった。




そしてそれとは対照的に、瑞穂は棚の中を探すこともできず、立っているのがやっとだった。