麻美と瑞穂は、ゾンビたちがいなくなった解毒剤倉庫の五階に来ていた。




凛子がゾンビたちを引きつけてくれたおかげで、五階にはもうゾンビがいないように思われた。




麻美は瑞穂の手を引いて、下の階から聞こえてくる機関銃の乱射音を聞きながら、
長い廊下を北の方へと歩いていった。




｢瑞穂、凛子がゾンビたちを引きつけてくれたおかげで、
この階にはゾンビがいないよ。

これなら落ち着いて、解毒剤を探せるよ｣




｢麻美さん、私、頭が痛いです。

それに、吐き気もするんです｣




麻美は瑞穂にそう言われ、瑞穂の顔を見つめた。




すると瑞穂の目は、黄色く濁って、顔は青白くなっていた。




〈 早くしないと、瑞穂が発症しちゃう 〉




麻美はそう思うと、焦りながら、足早に廊下を歩いていた。