私は麻美と瑞穂がいなくなった五階の廊下で、
必死になって機関銃を乱射していた。




死の恐怖を持たないゾンビたちは、私が機関銃を乱射しても、
少しも構わず、迫ってくる。




おぞましいゾンビの大群が、うめき声を上げながら私に迫ってくる様子は、悪夢そのものだ。




本当なら、私はこの場から走って逃げ出したかった。




私は気が強くても、怖いことは苦手だから。




だけど、私がここで機関銃を乱射し、ゾンビたちを引きつけないと、瑞穂の命が危ない。




瑞穂はウイルスをもらって、発症寸前のはずだから。




麻美と瑞穂は今、私がいる場所とは反対の南側の階段から、解毒剤倉庫の五階を目指しているはずだった。