私たちはスマホの画面に映る地図を頼りに、解毒剤倉庫にやってきた。




解毒剤倉庫は五階建ての鉄筋コンクリート造の建物で、木々に囲まれた目立たない場所に建っていた。




私たち三人は、蔦が生い茂る解毒剤倉庫の入口に立って、予想以上に高い建物を見上げていた。




「それじゃ、中に入って、解毒剤を探すよ」




私がそう言って麻美と瑞穂に目を向けたとき、瑞穂の様子が明らかにおかしかった。




「瑞穂、どうしたの?

顔色が悪いよ」




「凛子さん、私、とっても寒いんです。

さっきから体の震えが止まらなくて……」




私はそう言った瑞穂が心配で、瑞穂の額に手を当ててみた。




すると瑞穂の額はひんやりと冷たくて、まるで血が通っていないみたいだった。