「もしかして瑞穂、その傷って、ゾンビにやられたんじゃ……」




私はそう言って、瑞穂に目を向けると、瑞穂は青ざめた顔で、今にも泣きそうになっていた。




「黙ってちゃ、わからないでしょ。

その傷って、いつどこでできたの?

ねぇ、瑞穂!」




「凛子さん、私、やっちゃいました……。

さっきゾンビたちに襲われたとき、私、手を引っかかれたみたいです」




そう言った瑞穂は瞳に涙をためて、私に訴えるように話しかけた。




「凛子さん、これって、ゾンビになっちゃうんですよね。

私、ウイルスをもらって、発症して、人間を襲うゾンビになっちゃうんですよね」




そう言って、ポロポロと涙を流す瑞穂を見て、私の心は痛んだ。




「凛子さん、助けて下さい。

私、ゾンビになんてなりたくないです。

私、弱虫で、ダメな女だけど、人間のままでいたいです」




「瑞穂、落ち着いて」




私はそう言って、瑞穂の両肩をしっかりと握りしめた。




「瑞穂の傷は浅いよ。

もしかしたら、ウイルスをもらっていないかもしれない。

だから瑞穂、もう泣かないで」