早乙女凛子とホラーゲーム

「嘘だよね、貴広。

冗談なんでしょ」




祥子が震える声でつぶやいた。




「私たちは、愛し合っていたでしょ。

結婚しようって、言ってたでしょ」




貴広のゾンビはヨダレを垂れ流し、黄色く濁った目で祥子を見ていた。




「あの女の人、ヤバイぜ。

あのままじゃ、食われちまう」




「あの女の人は、こんな形で恋人に蘇って欲しくなかったはずなのに……」




「あの浅田先生って人はひどいよ。

オレは許せない」




「私、あの死神先生が嫌いです。

あの人は、絶対に悪い人です」




「ドアが開かない!

何でだよ!」




入口のドアを開けようとした男の叫び声が、部屋の中のパニックに拍車をかけた。




「ヤベェよ!

誰か鍵でもかけたのかよ!」




部屋の中のパニックがピークを迎えたとき、貴広のゾンビは、祥子に襲いかかった。